こんにちは、でぃーんです。
本日はUBERの第1Qの決算が発表されたので、見ていきたいと思います。
UBERの事業内容や投資判断は前回分析と変わっておりませんので、まだ御覧になっていない方は、是非御覧下さい。
分析の前に
今回の記事では、UBERの決算書を読み解いていきます。
決算書の事が全くわからない方は、最低限の知識として以下2記事を読んでからご覧頂く事をおすすめします。
グロス売上推移
まずはグロス売上の推移を見てみましょう。
グロスとは、PL上は当社の売上にカウントされない、サービス利用者が支払っている金額総額を売上としてカウントしたものです。
例えばUber eatsを利用する際、500円の商品を注文した場合、本来のUBERの売上として計上されるのは運送費の100円くらいだけです。
ただ、それでは全体での利用者の伸びなどが分かりにくいため、グロス売上という考え方で売上を捉えています。
4半期毎のグロス売上の推移は以下の通りです。

2019 1Q | 2019 2Q | 2019 3Q | 2019 4Q | 2020 1Q | |
RIDES | 11,446 | 12,188 | 12,554 | 13,512 | 10,874 |
EATS | 2,071 | 3,386 | 3,658 | 4,374 | 4,683 |
FREIGHT | 128 | 172 | 223 | 219 | 198 |
OTHER | 4 | 10 | 30 | 26 | 21 |
TOTAL | 13,649 | 15,756 | 16,465 | 18,131 | 15,776 |
UBERは今回
増収・減益
と発表していましたが、よく見ると、たしかに前期1Q対比は増収していますが、前期4Q対比は大幅に減収している事がわかります。
また、前回記事時には
「UBERの主力はタクシー事業で他はまだまだ」
というような書き方をしていましたが、
今回タクシー事業が大幅な減収を減収している一方で、EATS事業は増収しており、UBERの売上の約30%を支える一大部門に成長しています。
ただ、タクシー事業とeats事業の収益力を見比べると以下のようになります。(IR参照)


当社にCFを産んでくれているのはタクシー事業で、eatsはEBITDAでマイナスですね。
今後どのようにして、ウーバーイーツを稼げる分野にしていくかが、鍵となってきそうです。
EBITDA=税前当期利益-営業外収支+減価償却費で求められます。本業収益力を測るために、営業外収支を引いて、減価償却費を足しているんですね。
PL推移
次に4半期毎のPLを見ましょう。

2019 1Q | 2019 2Q | 2019 3Q | 2019 4Q | 2020 1Q | |
売上 | 3099 | 3166 | 3813 | 4069 | 3543 |
営業利益 | -1034 | -5485 | -1106 | -971 | -1263 |
当期利益 | -1012 | -5236 | -1162 | -1096 | -2963 |
UBERの発表通り、直近5Qで2番目の赤字幅です。
しかし着目していただきたいのは営業利益の数字です。
営業利益ベースでは、1年を通して同水準を維持しており、今回の決算が飛び抜けて悪いわけではありません。
今回の当期利益大幅赤字の原因は、1,863Mドルの保有株式の減損処理を行ったためです。
そう考えると、売上減少の割には踏みとどまった数字となっていると思います。
CF推移
最後にCFを見ましょう。

2019 1Q | 2019 2Q | 2019 3Q | 2019 4Q | 2020 1Q | |
営業CF | -722 | -1644 | -2522 | -4321 | -463 |
投資CF | 204 | 50 | -79 | -790 | -1856 |
財務CF | -561 | 7029 | 9022 | 8939 | -2538 |
まさかの直近1年で最も営業CFのマイナス幅が小さいです。
これは上記PLで解説したように、今期の赤字の原因の大部分が減損処理によるものであったため、営業CFではそれが控除されているからです。
また投資CFが直近1年で最もマイナスとなっていますが、これは新しく事業投資に1,346Mドル投入しているためです。
当社の現在の現預金は8,165Mドルとそれなりの水準を保っていますが、当社のCFの状況はそれ以上に悪く、後1年しか持ちません。
ただ、かなり期待されている企業でまだまだ成長もしているので、増資や融資はほぼ間違いなく受けられるでしょう。
まとめ
今回の決算は
- 前年同月対比増収
- 前期対比減収
という結果でした。
また、タクシー事業の大幅な減収の一方でeats事業が成長している事で、eats事業は当社の売上の30%を担う1大部門へと成長しました。
次回決算の予想としては
- タクシー事業は続落
- EATS事業は続伸
する事が予想されます。
3月より世界中で巣篭もりをしている人が増えているからです。
私の住んでいる地域ではウーバーイーツ頼めません…。
当社のファンダメンタルズは
- 赤字体質
- CFが常にマイナス
と財務健全性は低いですが、これから更なる事業拡大が期待されています。
別記事で、デルタ航空の財務分析をして、
長期で持つことは避けた方が良い
という発言をしていましたが、当社とデルタ航空は全く状況が異なります。
- 今後急拡大の可能性もあるUBER
- 急拡大の可能性は0。衰退する可能性があるデルタ航空
という2社間では期待値が違いますからね。
またUBERのライバルであるリフトは好決算で、株価が上がっていましたが、リフトとの比較はしなくと良いという理由も前回記事に記載しております。
これらの事を加味すると、UBERはまだまだ投資先として面白いのではないかと思います。
当然ですが投資は自己判断でお願いします。
ここまで御覧頂いてありがとうございました。
それではまた!!!