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オリックスは何をしている会社?航空機リースのビジネスモデルとは【銘柄分析】

こんにちは、でぃーんです。

本日はオリックスについて解説していきたと思います。

オリックスといえば、第1四半期の決算発表を5月21日に後ろ倒しする発表をしましたが、業績等に修正はないとしたことで話題になりました。

というのも、現在航空機業界の環境は厳しく、航空機にリソースを大量投下しているオリックスが本当に業績大丈夫なの?と思われていたからです。

そういった点に着目しながら、オリックスの分析をしていきたいと思います。

オリックスの業務内容は?

オリックスとはリース業を発端にした総合金融グループです。

現在の事業は大き6つのセグメントに分けられており、以下の通りです。

リースに留まらず幅広くやっていることが分かりますね。

でぃーん

オリックスバッファローズはどのセグメントに入るんですか!!!

オリックス業績

オリックスの設立から現在までの利益の推移がこちらです。

設立年度以外一度も赤字になったことがないんですね。

セグメント別の利益も見ていきましょう。

近年はかなり好調ですね。

一応BSも載せておきます。

現預金1.3兆円借入4.5兆円
その他資産11兆円その他4.5兆円
純資産3兆円

ずっと黒字の会社なので、当然BSの内容もかなり良いです。金融機関で、この自己資本比率はトップクラスではないでしょうか。

決算書の見方が分からない方はこちらをご参考下さい。

そして、現在オリックスの業績を判断する上で2009年との比較は必須でしょう。(リーマンショック時)

なぜなら10年ぶりの景気後退局面であり、オリックスが不況時にどの様なパフォーマンスを発揮するか判断したいからです。

2009年に赤字化しているのは

  • 事業投資
  • 法人金融

の2つですよね。

事業投資は、世界的な株安になれば、減損処理が必要だし、中には倒産した会社もあったかもしれません。

法人金融も同じく、貸し倒れ等の発生によって、不況時には成績が悪くなります。

この2セグメントにおいては今期も業績が下方修正される可能性は非常に高いでしょう。

しかし、1番初めに見たセグメン一覧での利益をもう一度見てみましょう。

現在のオリックスの稼ぎ頭は

  • リテール
  • 不動産
  • 海外

の3セグメントです。

この3つは2009年にも赤字転落はしていませんよね?

リテールは、不況には弱いのですが、不動産は不況の1年後以降に影響が出られることで知られており、海外については収益の大部分を占める航空機ビジネスの結果次第といったところでしょうか。

つまり今期のオリックスの業績を抑える上で大事なポイントは

  • 航空機リースの業績を考える
  • リテールの業績を考える

の2つと言えるでしょう。

しかし、リテールへの影響は正直判断しづらいので、次項では航空機リースへの影響について解説します。

航空機リースへの影響は?

そもそも、航空機リースのビジネスモデルってどうなっているかご存じですか?

「オリックスが航空機を買って航空会社に貸し出している」だと思っていませんか?

半分正解で半分間違いです。

オリックスが行なっている航空機リースの半分以上はオペレーティングリースと呼ばれるもので、オリックスは航空機を持っていません。

オペレーティングリースとは、

  1. 航空機を使いたい航空会社に対して
  2. オリックスが投資家から資金を集め
  3. 投資家の所有物としてリースすること

です。

つまり、オリックスは間の手数料をとっているだけで、航空機の所有者は小口分散され、一般投資家となっています。

少し古いデータですが2019年3月の航空機の所有状況は以下の通りです。

上記の通り、オリックスは自社保有の航空機も伸ばそうと考えているようですが、それ以上にオペリースを伸ばそうと考えていますよね。

オペリースの場合、仮に航空会社が倒産してリースが満期到来できなかった時は、損を被るのはオリックスではなく投資家です。

そういう意味で言うと、航空業界の減益はオリックスにとって無風とはいきませんが、半分以上は手数料収入のみのリースなので、大打撃を被る事は考えにくいと思います。

オリックスの株価

オリックスの株価は2020年4月29日現在、1200円近辺を推移しています。

オリックスの株価の特徴は2009年のリーマンショックで90%以上の暴落を見せた事です。

リーマンショック時は大幅に下げたのに、今回は50%マイナス目前で踏みとどまった理由として、投資家の変更という点が挙げられます。

2009年は海外投資家が多く、不況時に投げ売られてしまいましたが、現在は、株主優待の充当などから個人投資家の人気に火がつき、株が小口分散されている状況です。

減配や、株主優待改悪さえなければ、リーマンショック級の暴落の可能性は低いと考えられます。

でぃーん

金融セクターで数少ない人気銘柄なので、今後の動きは読みづらいです。

また、配当余力も意外と高く、実際に2020年3月にも自社株買いを実施しています。

配当性向の上昇にも期待したいですね。

まとめ/投資判断

オリックスの特徴は

  • 不況に弱いものの過去54年間赤字転落なし
  • リーマンショック時に赤字になったセグメントへの依存度は低い
  • 航空機リースの航空機所有権は半分以上が一般投資家
  • 投資家の入れ替えによって、大暴落は想定し難い
  • 配当余力は高い
  • 財務健全性は全く問題なし

が挙げられます。

これらの状況を勘案すると、かなり良い銘柄と言えるのではないでしょうか。

ただ、来期以降は不動産価格の下落が始まる確率が高く、不動産部門の業績にも注視したいですね。

また、株主優待の人気度もトップクラスに高く、持っていて楽しい銘柄です。

でぃーん

優待1番人気のサンショウウオのぬいぐるみは一瞬で無くなるのだとか…

ここまでご覧いただいてありがとうございました。

もちろんですが、本記事は特定の投資を促すものではありません。

投資は自己判断でお願い致します。

それではまた!!!

外部リンク

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