こんにちは、でぃーんです。
本日は出会い系アプリのTinderを運営する、マッチグループについて解説していきたいと思います。
尚、最新決算についてはこちらの記事をご覧下さい。
マッチグループとは?
マッチグループとは、Tinderをメインとする、世界最大級のマッチングアプリ企業です。
マッチグループの事業自体は1995年から始まっていますが、2015年にIACという企業からスピンオフの形で独立しました。
そして昨年2019年に完全に独立した企業となる事を発表しました。
そんな当社のサービスは、Tinderの他にも日本でお馴染みのPairsやcouplesなどがあります。
その他にも40以上のサイト運営を手掛けており、老略男女すべての人のニーズに合わせて事業を展開しています。

現在は190ヵ国以上、40以上の言語で展開されいるそうです。
世の中のほとんどの恋愛アプリは当社がやっているのかもしれません。
また近年では、マッチングだけでなく人の心理学に基づいて、カウンセリング事業などにも進出しています。
当社の戦略
当社の戦略はそのサービスの多さからも理解できると思いますが、M&Aにより事業を拡大させる事です。
またこの後紹介する、B/Sでものれん・長期借入金の多さがかなり際立っています。
一方で当社のM&Aを拒否する企業も中にはあります。
例えばTinder共同創設者が独立後開発したBumbleは、M&Aを拒否している会社の一つです。
この会社は女性から能動的にメッセージを送らなければならないなど、ユニークな設定があります。
また、その他の企業もTinderにはない顧客が求めているサービスを提供する事で生き残りをかけた戦いをしています。
現状マッチグループは圧倒的な規模を誇っていますが、新規参入障壁が低い業界であり、今後もM&Aによってサービスを多角化していく方向性は変わらないでしょう。
PL推移
そんな当社のPLの推移を見てみましょう。

2016 | 2017 | 2018 | 2019 | |
売上 | 1,222,526 | 1,330,661 | 1,729,850 | 2,051,258 |
営業利益 | 305,908 | 360,517 | 553,294 | 648,531 |
当期利益 | 171,451 | 350,148 | 477,939 | 534,731 |
特徴は
- 売上年率20%程度成長
- 営業利益率30%超
という事が挙げられます。
近年では日本でも、出会い系サイトで出会う事が浸透しつつあり、売上の成長は納得がいきます。
また、出会い系は課金型のビジネスモデルであり、営業利益率も高くなっています。
BS・PLの見方については以下の記事もご参考下さい。
CF推移
次にCFの推移を見てみましょう。

2016 | 2017 | 2018 | 2019 | |
営業CF | 234,106 | 321,091 | 603,455 | 658,402 |
投資CF | -31,351 | 118,188 | -37,761 | -41,450 |
財務CF | -31,514 | -423,714 | -649,555 | -336,847 |
特徴は
- 安定した営業CF
- 近年はM&Aに資金を多く使っていない
- 財務CFのマイナス幅の大きさ
が挙げられます。
営業CFについては今後も、運転資金がさほどかからないビジネスモデル上、売上が伸びればその分成長していく事が予想できます。
また、投資CFにそこまで資金を使っておらず、近年はM&Aのペースが鈍ってきていることもわかります。
一方で、更新投資などが必要ないので、投資CFに現金を使わなくて良い事は当社の強みであるといえます。
当社にとっての更新投資とはシステムのアップデートなどでしょうから、投資CFに入ってこないのかも知れませんね。(自社システムという意味では無く、サービスのシステム)
そして一番気になる財務CFのマイナスですが、ほとんどが配当によって支払われたものです。
2018年の-649,555M$の内、−556,372M$は配当によるものです。
ただこの配当についても、IACから完全に分離する事もあり、今後は営業CFの範囲内で行っていくものと考えられます。
CFの見方については以下の記事もご参考下さい。
BS推移
現預金 | 465,676 | 流動負債 | 417,612 |
流動資産合計 | 676,335 | ||
長期借入 | 1,603,483 | ||
のれん | 1,239,584 | 固定負債 | 1,686,142 |
固定資産合計 | 1,747,377 | ||
自己資本 | 319,958 | ||
総資産 | 2,423,712 | 総資本 | 2,423,712 |
典型的なM&A企業ですね。
ただ、自己資本比率は13%とそれなりにあります。
さらに、のれんについても当期利益2期分程度と、損失計上を恐るほどの額でもありません。
BSの健全性はそれなりに高く、懸念は少ないでしょう。
まとめ
マッチグループの特徴は
- 世界最大の出会い系サービス企業
- 稼ぐ能力は高い
- M&A企業の為、のれん・借入は相応にあるものの、財務健全性は一定程度ある
事が挙げられます。
私は上記の特徴から、安心して投資する最低基準は満たしていると判断します。
一方で、
- 参入障壁が低い事
- 前共同代表の離脱問題(セクハラ問題)
など、懸念点もチラホラとあります。
マッチング企業でセクハラ問題はかなり気になるポイントですよね。
いずれにせよ、投資は自己判断でお願い致します。
ここまでご覧頂いて有難うございました。
それではまた!!