経済

起業や不動産投資に必須の知識。減価償却とは?現役銀行員が分かりやすく解説

こんにちは、でぃーんです。

本日解説する減価償却は、これから不動産投資や、起業、個人事業主として何かされようと思っている方にとっては必須の知識となります。

一方で、株式投資のみの方にとっては、必ずしも必要というわけでは無いと思います。しかし減価償却を理解する事で、キャッシュフローなどの決算書への理解は間違い無く向上しますので是非ご覧ください。

また、減価償却を理解する上で決算書の知識は必要ですので、決算書についてあまり詳しく無い方はこちらの記事も参考にしてください。

減価償却とは?

減価償却とは、

資産の目減りを費用として計上することです。

例えばあなたが車を600万円で購入するとします。

最初は「車」という資産が600万円分ありますが、乗車したりして時間が経過するにつれて価値は減っていきますよね。

この減った分の価値を経費に出来ると言うことです。

しかし1年間にどれくらい車が消耗したかなんて毎回車屋さんに確認しないといけないのは大変です。

そこで国が資産の種類ごとに定めた償却期間というものに沿って、定額で経費化していくこととなります。

先ほどの例の車であれば6年が償却期間ですので、1年あたり100万円が経費に出来るということです。

(600万円➗6年=100万円)

でぃーん

不動産の場合、償却期間を

RC 47年

重量鉄骨 34年

木造22年

と国が定めています。

減価償却のお金の流れ

前節で減価償却とは、

資産の価値が減少することによって、費用が計上出来る

という事を説明致しました。

しかし、経費って本来は

業務にかかった費用を売上から控除すること

ですよね?

前節の例で言うと、車を600万円で購入しているので

最初の年に売上から経費として600万円引くんじゃないの?

って思われるかもしれませんがそうではありません。

ここが減価償却の最大のポイントです。

車というのは新車で購入すれば6年間は使える

と、国が定めています。

なので、6年間に渡って使用するのだから、経費も6年に渡って計上しなさい、というのが、減価償却の考え方です。

逆にいうと、いくら高価なものを購入しても、国が定めた期間以内に経費として計上する事はできません。先に現金は減るのに経費として計上できないのです。

これが減価償却費の考え方です。

BS・PLの動き

減価償却の概要が分かったところで、実際に車を購入した場合、BS・PL上ではどのように動くのかを検証し、感覚として減価償却を理解していきましょう。

車購入前

資産に車はありません。

・車を購入した年(購入1年目)

この年に車を600万円で購入しました。

6年間で価値が無くなる車は、1年目には100万円の価値が失われます。

(600万円➗6年=100万円)

なので、BS上には車500万円と記載されています。

また、車の購入に現金を使ったので、現金が600万円減っています。

そしてPL上は

売上1000
売上総利益500
販売管理費(うち 減価償却費)500(100)
経常利益0
当期利益0

という動きになります。

(分かり易くする為に簡素化しています)

1年目で失われた車の価値100万円が減価償却費として載っていますよね。

そして2年目以降は

・3年目

・6年目

と、BS上は6年目まで100万円ずつ車の価値が減っていき、PL上は毎年100万円ずつ経費に出来るのです。

(PLは6年間全く同じなので割愛)

そして減価償却のBS・PL上のポイントは

減価償却費を計上することによって、PL上の利益は0円になっているものの、営業によって現金は増えていると言う事です。

これは現金が出ていっていないのに経費に計上出来る減価償却の最大のメリットでしょう。

この部分はキャッシュフローという概念で非常に大切になるので是非理解しておいて下さい。

減価償却の注意点

減価償却は購入したものを経費にできる素晴らしいものですが、3つの要注意点があります。

  1. 償却期間が決まっている事
  2. 売却時には利益として税金がかかる事
  3. 利益を超える投資をしすぎると赤字になる事

償却期間が決まっている事

前節でも紹介したように、購入した固定資産にはそれぞれ国が定めた法定耐用年数というものがあります。

たくさん投資したからと言って、国の定めた期間より早く経費にすることは出来ません。

個人事業主の方は、きちんと調べて行動しなければなりません。

売却時には利益として税金がかかる事

償却期間を終えて価値が無くなったものは売却時に利益として税金を課されます。

前節の例で言うと、償却期間を終えた車の価値は0円ですが、中古車販売店に持っていくと100万円で買い取ってもらえたとします。

その場合価値が無いものが100万円で売れたとして、100万円の利益として見られます。

実際のPLはこんな感じです。

売上1000
売上総利益500
販売管理費500
経常利益0
特別利益100
税金ー30
当期利益70

車の売却益を100万円特別利益として計上し、税金もかかります。

利益を超える投資をしすぎると赤字になる

減価償却はお金が出ていっていないのに経費に出来るものですが、同時に減価償却費が多すぎるとお金はあるのに赤字になります。

償却不足という処理をする事もできますが基本的には、過大投資は赤字の危険性という事を頭に入れておいてください。

まとめ

減価償却費とは

  • 失った資産の経費化
  • 固定資産には法定耐用年数という償却期間がある
  • お金が出ていくのは最初だが長期間にわたって経費化出来る
  • 最終的には税金がかかったり赤字になる恐れもある

という特徴がある事を理解して頂けましたでしょうか。

今回私が解説したものは減価償却のほんのさわりの部分でしかなく

  • 特別償却
  • 一括償却
  • オペリース

など、様々な減価償却と関連するものがあります。

起業・不動産投資などを展開されている方や、今後して行こうと考えている方にとっては更に深く学習していくことによって、税金と上手くお付き合いしていくことが出来るようになります。

ここまでご覧いただいてありがとうございました。

それではまた!!

外部リンク

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