経済

貸借対照表/損益計算書とは?決算書の見方について現役銀行員が分かりやすく解説

こんにちは、でぃーんです。

本日は決算書について解説したいと思います。

今回は「そもそも、貸借対照表・損益計算書・B/S・PLって何?」という方向けにグラフなどを用いて分かりやすく解説しています。

決算書の実際の現場での読み方についてはこちらの記事で解説しています。是非ご参照下さい。

それでは見ていきましょう。

決算書とは

それではまず、決算書とは何かについて見ていきましょう。

決算書とは

  • 企業の持っているもの
  • 企業がいくら稼いだか

を数字で見る事が出来る表の事を言います。

決算書とは、大きく分けて

  1. 貸借対照表 (BS)
  2. 損益計算書 (PL)
  3. 株主資本等変動計算書
  4. 個別注記表
  5. (キャッシュフロー計算書)

の5つに分かれています。

そのうち3株主資本等変動計算書と4個別注記表については、一般の方にとっては重要度は高くないので今回は触れません。

また5番のキャッシュフロー計算書は()で閉じてありますが、これは上場企業にのみ作成が義務付けられているモノで有り、中小企業は作成の必要がありません。

そのためカッコ表記ををしていますが、あなたがもし投資家で、上昇企業の企業分析をしようとしている場合、一番重要な財務諸表であると言っても過言ではありません。

キャッシュフロー計算書についてはかなり難しいのでこちらの記事で詳しく解説しています。是非ご覧ください。

今回は決算書の基本の貸借対照表(以下BS)と損益計算書(以下PL)について見ていきましょう。

BS・PL概要

貸借対照表はBSと呼ばれ、バランスシート(Balanse Sheet)の頭文字を取っています。

名前の由来は、BSの表が右と左でバランス、つまり数値が一緒で釣り合っている状態から来ています。

実際に見てみるとこんな感じです。

非常にごちゃごちゃしていますが左右の大きさが同じなことが分かると思います。 

後ほど一つずつ解説していくのでご安心下さい。

損益計算書はPLと呼ばれ、profit and loss statement の略です。

こちらはバランスシートと違い英語の通り、利益と損失についてまとめたモノです。

また名前だけでなく、内容もBSに比べて理解しやすいかと思います。

そしてそれぞれを一言で表すとしたら

BS=金太郎飴(輪切り)

→会社の決算日1日だけの状態を表すもの

PL=砂のお城

→前回の決算以降の1年間で作り上げたもの。決算が終わればまた1から。

余計にややこしくなってしまいましたか?笑

ただ私としては言い得て妙な表現だと思っているのでなんとなくイメージだけしながら次に読み進めてみて下さい。

貸借対照表【BS】解説

 

BSは前節で話した通り、左右がバランスしているシートでした。

左右を大きく分けると次のグラフのようになります。

左が資産、右が資本です。

資産とは

その企業が何を持っているかを表しており

資本とは

誰のお金で資産を買っているかという事を表しています。

例を見てみましょう。

企業Aは

資産(企業が持っているモノ)

  • 現金
  • 本社

資本(誰のお金で資産を買っているか)

  • 借入
  • 自己資本(企業が稼いだお金)

という状況で決算を迎えました。

この企業のBSはこんなイメージです。

この企業は3万円の資産(内訳 現金1万円 本社2万円)を持っており、3万円の資本(借入22,000円 自己資本8千円)で賄っている状況です。

借入をして本社を建てたんだな、なんてことがイメージできませんか?

BSにおいては、左右がバランスしないことは絶対になく、常に企業が何を持っていてどうやって購入したのかが、分かるようになっています。

左右がバランスすることが理解できれば次は、中身を更に詳しく見ていきましょう。

資産の部には

  • 流動資産
  • 固定資産

資本の部には

  • 流動負債
  • 固定負債
  • 純資産

という大きい内訳があります。

表にするとこんなイメージです。

流動資産とは

1年以内に動かす事の出来る資産の事を言います。

例えば

  • 現金
  • 売掛金(まだ入ってきていない売上)
  • 販売予定の商品

などがあります。どれも1年以内に動きそうですよね。

固定資産とは

1年以内に動かせない資産の事を言います。

例えば

  • 土地
  • 建物
  • 出資金(他の企業に提供してお金)

などがあります。

土地なんかは1年以内に売却出来そうな気がしますが、基本的に土地は使う事を前提に買いますよね。だから固定資産なんですね。

でぃーん

ちなみに、不動産屋さんが持っている土地は【流動資産】に入ります。

不動産屋さんにとっての商品は【土地と建物】で、土地を仕入れて売るからです。商品は流動資産でしたよね。

一方で「不動産屋さんの店舗」がある土地は自社で使っているので固定資産に入ります。

余計ややこしくなった?

流動負債とは

1年以内に返済しないといけない資本です。

例えば

  • 短期借入(銀行に1年以内に返さないといけない借入)
  • 買掛金(まだ支払っていない仕入れ代金)

などがあります。

固定負債とは

1年以内に返さなくて良い資本の事を言います。

例えば

  • 長期借入(長期間の借入)
  • 社債(長期借入とほぼ一緒)

などがあります。

なんとなく理解できましたか?

ここまでの内容を踏まえてもう一度先ほどの表を見てみて下さい。

また導入部でお話した、BSは金太郎飴(輪切り)のイメージという理由ですが、BSとは

決算の日の企業の財務状態を表すものです。

例えば、決算の前日まで大量の土地を持っていたのに、決算を前に全て売却してしまっているかもしれません。

そうすると、BSからは企業が土地を持っていたと言う事が読み取れないのです。

これが私が、BSは金太郎飴と表現する理由です。 

そして、お金の流れをより明確にするために次に説明する、PLを読み解く必要があるのです。

でぃーん

決算より前に、他の銀行の借入を全部返していて、知らない間に違う銀行が出入りしてた、なんて事も…。

損益計算書【PL】解説

PLは簡単なのでサクッと理解しましょう!

実際の表と少し違いますがこんな感じです。

損益計算書

売上10,000
売上原価7,000
売上総利益3,000
販売管理費1,000
営業利益2,000
営業外収益/費用-1000
経常利益1,000
特別利益/損失-500
当期利益500

売上

  • 1年間で事業で稼いだお金

売上原価

  • 売上を作る為にかかった費用

売上総利益

  • 売上ー売上原価=売上総利益
  • 経費を引かずに事業でいくら儲けたかを表す

販売管理費

  • 人件費などの販売に係る経費

営業利益

  • 売上総利益ー販売管理費=営業利益
  • 経費精算後に事業でいくら儲けたかを表す

営業外収益/費用

  • 営業以外での収益と費用
  • 株の配当収入や借入の利子支払など

経常利益

  • 営業利益ー営業外収益/費用=経常利益
  • 配当や支払利息は毎年発生するので、経常的(常)にこれくらいは稼げるよ、という数字

特別利益/損失

  • 毎年計上しない利益や損失が出た時に計上
  • 土地の売買で得た利益や、株の評価損など

当期利益

  • 経常利益ー特別利益/損失=当期利益
  • いろいろあって1年間でこれだけ儲けましたという数字

PLは以上で終わりです。

拍子抜けしましたか?笑

BSと比べて単純なので、覚えやすいかと思います。

そして、PLは1年間での企業の儲けの状況を表すものであり、決算を終えると全てリセットされます。

なので、昨年の状況を読み取る事は出来ないのですが、この1年でどういったお金の流れがあったのかを把握する事ができます。

1年間の成績が見れるのに、リセットされるって砂のお城みたいで儚くないですか?

でぃーん

ちょっと何言ってるかわからないですね。

最後に

ここまでお読み頂いてありがとうございました。

今回は決算書の読み方、超初級編という事でイメージでざっくりとお話しました。

ただ、今回の内容が理解できていれば、決算書から企業の状態を読み解いて行くことも出来る様になっていきます。

むしろ決算書は、勉強し始めた時が1番難しいと思いますので、是非一緒に勉強していきましょう!

また、皆さんのお勤めの企業や、通っている学校などの決算書を一度ご覧になって下さい。

「企業名 IR」

で検索すると、その企業の決算書を見る事ができます。

最後までお付き合頂いてありがとうございました!

それではまた!

外部リンク

Betmob|投資家ブログまとめメディア