こんにちは、でぃーんです。
本日は、メガバンク3行の属するFGの業績を比較していきたいと思います。
金融業界はフィンテックや、コロナの影響で荒れる中、各社どのような結果となっていたのでしょうか。
尚、文字数省略の観点から、三井住友FGをSMBCと記載しておりますが、ご了承ください。(銀行だけではないのですが)
PL比較
まず初めにPLの比較です。

単位(百万) | 三菱UFJ | SMBC | みずほ |
経常収益 | 7,299,078 | 5,314,313 | 3,986,701 |
経常費用 | 6,063,308 | 4,382,249 | 3,348,823 |
経常利益 | 1,235,770 | 932,064 | 637,877 |
特利/損 | -406,327 | -43,418 | -19,160 |
税前利益 | 829,443 | 888,646 | 618,717 |
当期利益 | 608,543 | 720,962 | 457,221 |
売上は三菱が圧倒的ですが、株式の評価損などがかさみ、当期利益では三井住友FGが1番となりました。
またみずほFGは売上・経費率共に3社の中で最低です。
非金利収益
前述した収益の内訳として、約50%は各社共に金利収益で稼いでいます。
これは
- 貸出のスプレット(利鞘)
- 有価証券の配当
などの金利で稼ぐものです。
残りの50%は非金利収益であり
- 信託報酬
- 社債の発行費用
- 土地の賃貸
- 投信販売手数料
など、金利以外の様々なもので稼いでいます。
その成績は以下の通りです。

単位(百万) | 三菱UFJ | SMBC | みずほ |
信託報酬 | 130,829 | 4,701 | 58,565 |
役務取引等収益 | 1,577,596 | 1,287,538 | 778,842 |
特定取引収益 | 203,724 | 262,826 | 406,539 |
その他業務収益 | 912,686 | 1,050,065 | 412,114 |
その他経常収益 | 632,939 | 252,816 | 316,198 |
非金利収益 | 3,457,774 | 2,857,946 | 1,972,258 |
こちらの特徴は
- SMBCのその他業務収益が多い
事がわかります。
その他業務収益の柱として、
家賃収入
と記載されており、こちらが三井住友FGの経費率の低さに一役買っている可能性が考えられます。
CF比較
次にCFの比較を見ましょう。

単位(百万) | 三菱UFJ | SMBC | みずほ |
営業CF | 8,060,840 | 7,087,460 | 1,901,893 |
投資CF | -3,368,444 | -3,011,660 | -5,808,537 |
財務CF | -251,664 | -1,024,554 | -281,849 |
三菱・SMBCは7兆円以上の営業CFを上げているのに対して、みずほは2兆円です。
また昨年度は営業CFマイナスであったことから、みずほFGは、他の2社に対して、CFが大きく劣後している事が分かります。
BS比較
次にBSを確認しましょう。

見にくくて申し訳ございません。
今回からGoogleスプレッドシートを使用しているのですが、イマイチ使いこなせません…
BSは三菱が飛び抜けて大きいですが、比率は各社似たようなものですね。
これはバーゼル規制という国際的な規制を受けている為です。
また銀行のB/Sの特徴として
預金が資本側(右側)に来るもの面白いですよね!
これは、お客様からお預かりしている預金は、銀行にとっての債務だからですね。
その預金だけ数字を切り取ってみると
預金 | |
三菱UFJ | 188兆円 |
SMBC | 127兆円 |
みずほ | 131兆円 |
となります。
そしてその対極にある貸出は以下の通りです。

単位(億円) | 三菱UFJ | SMBC | みずほ | |||
貸金平残 | 割合 | 貸金平残 | 割合 | 貸金平残 | 割合 | |
国内 | 594,551 | 54% | 553,280 | 67% | 550,000 | 66% |
アジア | 245,905 | 23% | 93,000 | 11% | 118,700 | 14% |
米国 | 138,090 | 13% | 110,000 | 13% | 81,900 | 10% |
欧州等 | 60,456 | 5.5% | 71,000 | 9% | 59,200 | 7% |
合計 | 1,091,146 | 100% | 825,176 | 100% | 834,581 | 100% |
このデータから
- 国内はほぼ横並び
- アジアは三菱>みずほ>SMBC
- 米国は 三菱>SMBC>みずほ
- 欧州等はSMBC>三菱=みずほ
である事が分かります。
また、総貸出ではSMBCよりもみずほの方が多いですね。
尚このデータは、
- 三菱は貸出合計からリスクアセットを割ったもの
- SMBC・みずほは掲載データ
を使用しています。
株価と配当
最後に2020/3/31時点での株価と、今回の配当金を見ましょう。
単位(円) | 株価 | 配当 | 利回り |
三菱UFJ | 399.8 | 25 | 6.25% |
SMBC | 2595.5 | 190 | 7.32% |
みずほ | 120.8 | 7 | 5.79% |
各社とも素晴らしいですね笑
- 三菱は昨年対比増配、中間対比配当維持
- SMBCは、昨年・中間対比共に増配
- みずほは、昨年・中間対比共に配当維持
という結果になりました。
SMBCは配当7%を超えて尚、配当性向は37%に止まっています。
SMBCすごい!!!
また、三井住友FGが採用している累進配当政策については以下の記事で解説しています。是非ご覧ください。
まとめ
今回のまとめは以下の通りです。
- 売上は三菱が圧倒的だが、当期利益はSMBCが一位
- 非金利収入はSMBCの家賃収入が目立つ
- CFはみずほの一人負け
- 総資産は三菱が圧倒的に大きい
- 国内貸出は並列だが、アジアで三菱が強い
- 配当はSMBCのみ中間対比増配
今回データをいろいろとまとめてきて、こんな事を言うのも、本末転倒かもしれませんが、今後生き残っていく金融機関はフィンテックを活用できる企業だと思っています。
投資の際は、決算情報や配当金だけでなく、各社のデジタル戦略にも注目あする必要があると思います。
また、今後まとめていきたいと思います。
ここまでご覧いただいてありがとうございました。
それではまた!!!