こんにちは、でぃーんです。
本日は、先日1〜3月期の決算を発表したアップルの業績を解説していきます。
今回の発表では10年ぶりに4〜6月期の業績予想を見送ったことから、一時株安となっていましたが、何が起こっていたのでしょうか?
業績を見る前に
以下ではPL・BS・CFを読み解いていきます。
決算書の読み方は以下の記事で解説しているので、先にご覧頂くと理解が深まるかもしれません。
業績推移 PL
それではまずは4半期毎のPLを確認しましょう。

少し見にくくなってしまい申し訳ございませんが、2年分の4半期毎のPLです。
これを見るとアップルは
- 製品売上
- サービス売上
の2種類の売上があります。
そしてアップルはハード(iphoneなど)を販売する会社であり、2つの特徴があります。
- 製品売上は新製品販売月に多くなる
- 売上の大部分は製品売上
という事です。
一方で、サービス売上については
- 2年間増収
であり、今期が過去最高収入を計上しています。
サービス売上とは
- Apple music
- icloud
- logic pro x (音楽ソフト)
などがあります。
これらはハード製品に比べて原価を抑えられる上に、サブスクリプション型の収入のものが多いです。
今後のアップルの収入の柱となっていくかもしれないので、動向を注視したいですね。
先ほどのPLでは、
- 製品の発売月の売上が突出していた事に加え
- サービス売上との合計がわからなかった
と思うので、前年同月との総売上との対比を見てみましょう。
左が昨年、右が今年という形で、4半期毎に並べています。

このグラフのように、アップルは2年間、
総売上で前年同月から減収したことがありません。
驚異ですね。
このコロナウイルスの影響で製品の売上は7%落ちましたが、サービス売り上げがそれ以上に伸び、増収に成功しているのです。
業績推移 BS
次に2020年3月期のBSを見ましょう。
現金 | 40,174 | CP,短期借入 | 20,421 |
流動資産 | 143,753 | 流動負債 | 96,094 |
固定資産 | 176,674 | 長期借入 | 89,086 |
固定負債 | 241,975 | ||
(内 株式) | 152,670 | 純資産 | 78,425 |
総資産 | 320,400 | 総資本 | 320,400 |
自己資本比率は24.4%と普通です。
ただ総資産の内、約50%が株式です。
つまり、アップルは自己資本こそ低いものの
資産の大半が株式の為、実質無借金会社と言えます。
株式はもしもの時は現金化出来ますよね?
株式の内訳の資料は見つけれなかったのですが、今までアップルが買収した、BEATSなどもこの内に入るのでしょう。
アップルは最近、BEATSブランドの商品を切り捨て始めてます。アップルのブランド力が勝ってきたからでしょう。
業績推移 CF
最後にCFの推移を見ましょう。

この2年間のアップルのCFから読み解ける事は
- 投資CFは常に営業CFの範囲内(FCF2年間プラス)
- 財務CFが常にマイナス
- 投資CFが直近2期のみマイナス
という事です。成熟企業のような内容ですね。
つまり
- 稼ぎの範囲内の投資しか行っていない
- 新たな借入は無く(少なく)、基本的には返済を行っており、自社株買いによって株主還元をしている
- 新たな投資が少なく、その投資も大半が株式の取得
という状況です。
ちなみに投資CFが営業CFの範囲内に収まっている事(FCFプラス)と投資が少ないというのは似て非なるものです。
なぜなら、投資がいくら少なくても営業CFがマイナスであれば、FCFはマイナスになるからです。
アップルは営業CFがプラスであり、安定して本業で稼いでいるのに、投資が少ないんですね。
投資をしない分、余るお金で自社株買いをしているという事です。
これは株主にとって良いことかと言われると、100%そうだとも言えません。
企業が新たな投資をせずに国際競争力の無い企業になると、
- 本業の成績が悪くなり
- 株価が低迷し
- 収益力が無いので自社株買いも出来ず
- さらに株価が下がる
という負のスパイラルに陥るからです。
現状、アップルは
- ブランド力
- 製品力
で国際競争力のある企業なので今のところ株主還元の姿勢は喜ぶべきでしょう。
なぜ業績予想を発表しなかったのか
冒頭でも述べたように、アップルは今回10年ぶりに4〜6月期の業績の予想を発表しませんでした。
この理由をアップルは
「コロナウイルスによる業績の不確実性がある為」
としています。
ですが、市場はその言葉を
「業績が予想できない程、コロナのダメージがある」
と推測し、決算発表の後アップルの株価は2%強下落しました。
今回アップルはこの逆風の中でも増収という素晴らしい成績を残した訳ですが、将来への不安が株価に反映されたという事ですね。
株価は現在の状況よりも未来の予想が織り込まれるんだと改めて思いました。
まとめ
今回はあえて株価の情報を入れませんでした。
理由は
アップルはまだグロース株だと思っているからです。
ここまでの情報をまとめると
- 前年同月比減収したことがない
- 実質無借金会社
- 稼いだお金で株主還元している
という事を述べてきました。
情報としては、成熟企業の領域に入っていると捉えた方が良いでしょう。
しかし、私はアップルの1ユーザーとして10年程製品を使ってきていますが、近年になっても製品の成長は衰える事を知りません。
最近で言うと、格安iPhoneを発売しアンドロイド勢へも攻勢をかけています。
また、iPhoneやApple Watchを使っての遠隔先の家族の体調管理など、その使い方も今後更に広がっていくと信じています。
結局理屈どうこうよりもユーザーとしての直感が
アップルはまだ成長して生活インフラになる
と言っているのです。
なので私はアップルの株を買う時にファンダ分析もテクニカル分析もしていません。
(最低限のIRは閲覧しています)
当然、突然株価が5倍になったら売却すると思いますが、アップルが生活基盤になるまでは売却することはないでしょう。
この考えは独自の判断なので、間違っている可能性も非常に高いです。
参考にする際は自己判断でお願い致します。
あと、ファンダ分析は是非して下さい。笑
ここまでご覧頂いてありがとうございました。
それではまた!!